カナダにおける語学教育, フレンチイマージョンって?




発端は、フランス語が主要言語とされているケベック州在住の英語を話話す保護者たちが、自分の子供たちに効率的、かつ早くフランス語を学習して欲しいという気持ちから始まったとされているこのカナダ発祥の教育方法であり、英語を第一言語とする者が全科目の授業を外国語であるフランス語で受けるというシステムのことです。

このフレンチイマージョン教育は一般の英語クラスのカリキュラムと同じで、授業をフランス語で受けるという点にだけ違いがあるだけです。学業には遅れが出ることはない, ともされています。しかし反対にこれでは、英語力が遅れたり、定着しないのではないかという不安を持つ親も多いのも現状です。様々な調査によりますと低学年のうちは英語の読み書き面において、やや劣る傾向があるらしいですが、高学年にな流に連れて、英語クラスの生徒よりも読解力で勝る生徒が増える傾向にあるとされているそうです。この教育方法は、現在では日本だけでなく多くの国で応用されており、母国語に近い程度まで外国語を学ぶ効率的な方法として知られています。

※一般的な英語クラスでは、日本における英語教育のように1つの教科枠としてフランス語授業がグレード4(9歳頃)から始められていますが、これはコアフレンチとしてフレンチイマージョンとは区別されて考えられています。

BC州におけるフレンチイマージョンの仕組み

①アーリー イマージョンと②レイト イマージョンの違い

アーリー イマージョン(以下EI)教育は、キンダー(幼稚園)からグレード3(8歳頃)までは授業のほぼすべてをフランス語で受ける決まりになっています。先生も、生徒同士もフランス語で話すことが求められています。とは言え、キンダー(幼稚園)では先生の判断によって多少の英語も混ぜているようです。しかし、グレード2くらいからは、児童・生徒間でも英語ではなくて、フランス語のみの使用を厳しく指導されるらしいです。そしてグレード4(9歳ごろ)から英語授業が始まり、グレード7(12歳ごろ)での英語使用率は、授業全体の約2割ほどとされています。例外として、フレンチイマージョン教育であっても、指導の都合上、体育や音楽は英語で受けることもあるとのことです。

レイト イマージョン(以下LI)教育はグレード6(11歳頃)から始められ、フランス語のみでの授業が進められます。そしてグレード8(13歳頃)から英語の使用率が少しずつ上がっていくようなシステムになっています。

フレンチイマージョンの長所と問題点とは

長所:①グレード12まで受講し必要な単位取得することで、バイリンガル教育修了証書が授与され大学入学や就職が有利になるとされています。②さらに、子供の頃からフランス語を学ぶことで、他の言語を学ぶ時にもそれが助けになるということ。
問題点:①せっかく学校で習っても使うところがなく、 また、様々な場面での使い分けの習得が困難であるために教室内だけで通じる言語になりやすいことがあるらしいです。②指導の都合上、先生や教材などを聞くことが多く、一方的に聞くことは上達したとしても、話す力が弱くなる傾向があるということ。③英語混じりのフランス語を話すようになりがちで、なかなか直らなくなることも生じるらしいです。

フレンチイマージョン教育を受けるには

公立校のプログラムなので、希望すれば義務教育として無料で受けることができます。通っていれば自然にバイリンガルになれる、と簡単にいくわけではなく、環境設定や宿題他、家族のサポートも必要になってくるようですが、教育方針の一つとして考慮する価値はあると思われます。